[自作小説] 半径30センチの絶対領域 [Web小説]

小説
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こんにちは、おーびる(@Ouvill )です(/・ω・)/

前回の記事(小説)は 架空の作品タイトルと感想送りつけられて作品を執筆するという内容でした。今回は第二弾となります。

今回の小説は3000文字程度で短い内容となっています。

この物語のきっかけ

今回のお題はこちら。お題提供はAyaさん ( @smth_wonderful ) から提供していただきました。

タイトル「半径30センチの絶対領域」
Ouvilさんは若人らしい、すなおな文章を書かれる方だ。悪い意味で世間擦れしているじぶんなどは、まぶしすぎてお姿を直視できないでいる。今回の作品はこの作者らしく、学生同士の恋愛模様を丹念に描写した快作である。

絶対領域なんて言われると、もうハイニーソとスカートの間から見える絶対領域について熱く書くしかないですよね。

オタクの子の隣に可愛い子が座ってきてドキドキしてしまう話です。ちょっと文体がブレブレな気がします。

 半径30センチの絶対領域

 

学校の道徳の授業の一環として、小生達は近所の市民会館で映画鑑賞を行っていた。
小生は映画鑑賞をしつつも頭の中では全く別のことを考えていた。むしろ、そのことについてしか考えていなかった。

諸君は絶対領域という言葉をご存知だろうか。アニメやコミックなどに深い理解のある方々はご存知だろう。なに知らない。君は帰りたまえ。リア充というサブカルチャーに明るくないものには到底理解できないようなことなのでね。

そんなこと言わずに教えてください?

やれやれ、そんなに懇願するならば絶対領域というものについてやろうではないか。

絶対領域、つまりは、何人にも侵されざる聖なる領域だ。そこ、なに云ってんだコイツというような顔をしない。

スカート、ショートパンツとニーソックス、正確にはサイハイソックスを着用した時にちらりと見える神秘的空間こそ絶対領域と呼ばれるものだ。

僅かにのぞく素肌が最高のエロス、最高の萌えだと思わないかね。肌をすべて晒すのでもなく、すべて隠すのでもない。サイハイソックスによって脚線美はばっちりと演出する。スカートによって隠すべきところは隠す恥じらい。しかしながらむっちりとした太ももだけは僅かにのぞくチラリズム。神が創り給うた桃源郷。

どうだい。見たくなってきただろう。よろしい、それでは検索欄に「絶対領域」と文字を入力してしっかりと堪能してくるといい。

小生?小生は遠慮しよう。

嬉しいやら困ったやら、そんな絶対領域が今小生のすぐ近くにあるのでね。いやはや、それも小生から30センチ離れたところに。そう隣に座った女子がバッチリと絶対領域を保持しているのだ。黒のサイハイソックスに、フリルがあしらわれたミニスカート、そしてその間にある雪のように白く美しい素肌。しかもスカートの丈と、絶対領域、サイハイソックスの比率が4:1:2.5 という黄金比。このかたはよくわかっていらっしゃる。

もうチラチラチラチラ小生の視線が激しく引き寄せられてしまう。必死に視線を前に向けようと思っても気がつけば視線は絶対領域へ。

しかも、学校一の美少女と噂されるハルカさんがそんな格好をしているのだ。視線を奪われないほうがおかしいというものであろう。

心臓がバクバクと激しく脈動し、股間は熱くなる。前かがみになっていなければ立派なテントでも建とうものである。頭の片隅ではそれはそれはドエロい妄想があれよあれよと湧き上がってくる。

学校の映画鑑賞で偶然にも可憐な女子の隣に座ってしまった小生は幸運なのやら不幸なのやら。美しい光景を拝ませていただいて最高に幸福なのだが、ずっと見ていたということが他の人にバレようものならば小生の学級カーストは地の底にまで沈み込むだろう。さらに、映画鑑賞なので映画を集中してみなければならないはずなのに、頭は絶対領域のことでいっぱいで、映画の内容なんぞとんと入ってこない。これでは鑑賞後の感想文などかけるはずもない。ヘタしたら大変素晴らしい絶対領域でしたというコメントとも、頭に刻み込まれた光景を精密で写実的な絵として感想欄に書き込みかねない。

何故に小生はハルカさんという美少女の隣に座っているのか。

本日は学校の道徳の授業として、近くの市民会館で映画鑑賞だった。オタクの小生はクラスの皆の邪魔にならぬようにと後ろの端っこの席に一人ぽつんと座っていた。すると、ハルカさん他仲良し女子達がここ空いているじゃんと隣の席に大挙して座りだしたのだ。

そう。小生が望んだ結果、現在のような状況になっているのではない。偶然ハルカさんたちが小生の隣にやって来たのだ。ああ、よりにもよって小生のドストライクな姿格好で。小生は一人座っていただけなのに……。いや、嬉しいんですよ。とても嬉しいのですよ。

しかし、現状を打開しなければ、小生の世間体が危うい。小生のエロい願望が書き込まれた感想文を読んだ先生はどう思われるだろう。相当の変態として引かれることは間違いない。いまでもオタクとしてクラスでは浮いた存在だが、それでも変態とは思われてはいないはずである。ただ、このままではド変態の烙印を押されかねない。

頭の中で素数を数えてみたり、太ももの付け根辺りをつねってみたり必死に頭のなかの雑念を追い払おうと努力する。

隣なんぞ気にしたらまけだ。小生は映画に集中するんだ。隣にいるのはヤクザのおっさんだと思え。目が合えば殺されるぞ。死にものぐるいで前をみろ。煩悩なんて捨てるんだ。

よし。前を見た!

おお、迫力のアクションシーンだ。カッコいい!!これなら横のことなんて気にしなくて済む!!そこだ、頑張れ主人公!!

ちょっと集中して映画を見始めたときに、隣に座るハルカさんが身じろぎをした。小生も思わずちらりとそちらに視線をやってしまう。そして一旦前を向いて、もう一度ハルカさんを見る。

なんとハルカさんが足を組んでいらっしゃる。先程まではハルカさんはきっちりと足を揃えて座っいたのに、今は左足が上にくるように組んでいた。ハルカさんの脚線美がより強調されていて思わず視線が奪われる。素晴らしい。

何故こうもハルカさんは小生の好みの姿格好をしてくれるのか。小生の好みが全て筒抜けのようである。偶然ハルカさんが小生の隣に座ってきて、偶然小生の好みの服装をして、偶然好みの座りかたをしてくれる。これは偶然と言っていいのか。もしかして偶然ではないのか。

ハルカさんが意図的にこれら一連の行為をしている?小生の気を引きたいがために?小生の頭はぐるぐると高速で回転する。

小生の頭の中で妄想が展開される。

「ミツル君……」

ハルカさんが潤んだ瞳をしながら、こちらを見つめる。

「ずっとミツル君の事が好きだったんだ。今日はミツル君の好みに合わせてみたんだけど……どう……かな。」

ぽっと頬を赤く染めながらハルカさんが小生に問いかける。

小生は頭をふって妄想を追い払う。

ありえない。落ち着け。そんな事あるわけなじゃないか。小生はオタクだ。根暗なオタクだ。そんなオタクに学年一の美少女が恋をする?妄想なんて捨てろ。夢なんて持つな。クラスの端でひっそりと過ごしているのがお似合いだ。

ですが隊長!!現にハルカさんは我々の好みを熟知しているような行動を取っています。可能性がもしかしたらあるかもしれません。

小生のなかの別の心が反論する。

馬鹿野郎!!そんな調子の乗った考えでいると足元をすくわれるんだ。お前に好意を持ってくれる女子なんていたか。いなかっただろう。今回のも偶然だ。偶然が運命的に重なりあっただけだ。今お前のするべきことは映画鑑賞だ。

小生の頭のなかで喧喧諤諤な脳内会議が繰り広げられた。

小生の脳内リソースはその議論に終始費やされ、結局映画の中身などまったくもって理解できなかった。

――

映画の上映が終わり、ホールが少しずつ明るくなる。

もう映画の内容など全然頭に入っていないが仕方がない。ハルカさんのおみ足を堪能できたことに感謝して、今日は帰ろう。ネットに上がっている映画のレビューを適当に参考にしつつ感想はでっち上げよう。

小生はぐっと伸びをしたあと、ホールを出ようと立ち上がった。

「ミツル君」

ハルカさんが後ろから声をかけてきた。まさか、「このあと時間ある」とか「話を聞いてくれる」とかムフフな展開ですか。小生歓迎ですよ。

ハルカさんはピンクのスマホを何やら操作する。そして画面が見えるようにスマホを小生につきつけた。

「ずーとハルカの足を見てたでしょ。この画像を消してほしかったら私の言うことを聞いてね」

と、とてもとても可愛らしい声で言った。

画面には鼻の下を伸ばしてニタニタと笑いながらハルカさんのほうをみる小生が写っていた。

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