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[短編小説] 玉ねぎが目に染みる [ Web小説 ]

 

こんにちは、オービルです。 Twitterで以下のようなやり取りをしました

オービル「なんかSS書きたい。お題ください」
んぼ@nnbobop「玉ねぎ、時計、夜」
オービル「らじぁ」

ということで書きました。今回は短編の恋愛小説です。

あらすじ

彼氏の帰りを料理しながら待つ。
どうせ帰ってこないのに。
それでもちょっと期待して。
彼氏の好物を作って待つ。

玉ねぎが目に染みる

外を見るともう日が暮れて真っ暗だ。でも彼氏君のメールはまだ来ない。

私はケータイの送信済みメールを開く。送信時刻を見るとお昼すぎ。仕事中だったら悪いと気を使って昼休みの時間に送ったのだった。

「今日は彼氏君の好きなハンバーグを作ってるから早く帰ってきてね」

なんでこんなメールを送ったんだろう。メールの文面を見ながら後悔する。こんな無意味なメールを。

ケータイの画面を消して、キッチンで料理の準備をする。

メールを送っても彼氏君が今日は来るはずなんてないのに。

私は気づいてしまったのだ。彼氏君が浮気していることに。

付き合い始めたころはメールを送れば、すぐに返信が来た。私が電話したら必ず出た。何時でも何処でも、しょっちゅう連絡を取り合った。

なのに最近、彼氏君からのやり取りが減った。私は怪しいと思って、彼氏君のケータイをこっそり盗み見た。

そこにあったのは会社の後輩と仲良しそうに話しているチャットのログだった。

私に送られるはずの言葉がそこには沢山並んでいた。彼氏君と後輩ちゃんがラブラブのカップルのように写っている写真もあった。いやカップルなのだろう。

そして今日はその後輩ちゃんと有給を取って一泊旅行らしいことも、チャットのログからわかった。

当然、彼氏君は浮気がバレているとは思っていない。いつものように会社に行ってくると言って、今日は出かけていった。ウキウキとしながら。

だから私も知らないふりをよそおって、「早く帰ってきてね」とメールを送ったのだ。もしかしたら、そのとおりになるかもしれないと期待して。真面目に仕事に取り組んで、おなかを空かせて帰ってくることを期待して。

彼氏君からはメールの返信すら来なかった。よほど楽しんでいるのだろう。

私はハンバーグに入れるための玉ねぎをみじん切りにする。とんとんとん。

ぽたりと目から何かがこぼれたけど、気にしない。

……悲しいから泣いているのではないのだ。

……玉ねぎを切っているからだ。

あとがき

お題を見たあとの思考「玉ねぎを切ってたら涙出るな。よし、悲しい話にしよう。」
という短絡的な思考でこの物語は出来ました。

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